88年式 NSR250R
レーサーレプリカ全盛時代、最もレーシングマシンに近いマシンのひとつNSR250R。ご存知の方も多いかと思いますが
、88年式は、歴代のNSRの中でも特にパワフルでレーシーな一台とされています。
NSR250Rの歴史
最初にNSR250Rが発売されたのは、1987年11月。その前の2サイクルレーサーレプリカというとNS400RやNS250Rでした。それを超えるリアルレーサーレプリカとして投入されたのがNSR250Rです。
その後数年間、毎年のようにモデルチェンジが繰り返されました。また、乾式クラッチ・マグネシウムホイールなどを導入したSPやSEなどの派生モデルも投入していきます。カラーリングもレーシーなロスマンズカラーやコダックカラーなどを投入し人気がありました。
中でも人気が高かったカラーリングはロスマンズカラーです。当時、ロスマンズカラーのNSRをかるトップレーサーが何度も優勝を飾りその人気は不動のものでした。
NSR250Rの製造はモデルチェンジをくり返しながら、レーサーレプリカの人気が衰えた1999年まで続きます。
環境問題や、あまりにも高額になりすぎたこと、ネイキッドマシンの人気の高まりなどの要因で継続した開発・販売が難しくなったのが原因で姿を消しました。
軽量コンパクトな2サイクルV型2気筒エンジン
市販二輪車としては世界初のコンピューター制御によるPGMキャブレターを採用。さらにPGM-CDI点火システムや可変排気孔バルブシステム(RCバルブ-2)、オイルポンプなど、吸気から点火・排気にいたるまで総合的にコンピューター制御するという画期的な2サイクルエンジンとなっている。(メーカーHPより)
当時グランプリレースを戦うワークスマシンは全て2サイクルエンジンでした。そのエンジンは軽量且つパワフルで、扱いは難しいものの各社可変バルブなどを開発してパワーとコントロールを競っていました。
そのレースをテレビやビデオで観ていたのはちょうど中学性の頃です。当時のトップレーサーといえば、
HONDAのワイン・ガードナー、YAMAHAのウィン・レイニー。後にSUZUKIのケビン・シュワンツも加わり彼らのデットヒートには本当に興奮したのを覚えています。
ちょっと話がそれましたね。話を戻すとそのレーサーの全てが2サイクルエンジンでした。2サイクルエンジンは4サイクルエンジンと比べるとシリンダーヘッドのバルブやそれを動かすカムなどがいらず軽量コンパクト。なおかつ4サイクルが2回転で1度燃焼するのに比べて1回転で1度燃焼するシステム。当然パワーもでます。
エンジンの詳細については別途詳細記事に譲りますが、そのレーサーレプリカ由来のエンジンを載せたNSRというマシンは、その頃の若者のハートを掴みました。
主要スペック
型式 |
MC18 |
全長(m) |
1.985 |
全幅(m) |
0.640 |
全高(m) |
1.105 |
軸距(m) |
1.355 |
最低地上高(m) |
0.135 |
シート高(m) |
0.770 |
車両重量(kg) |
145 |
車両重量(kg) |
127 |
乗車定員(人) |
2 |
燃費(km/L) |
36.0(50km/h定行走行テスト値) |
最小回転半径(m) |
2.9 |
エンジン形式 |
MC16E(水冷・2サイクル・ケースリードバルブ・90度V型2気筒) |
総排気量(cm3) |
249 |
内径×行程(mm) |
54.0×54.5 |
圧縮比 |
7.3 |
最高出力(PS/rpm) |
45.0/9,500 |
最大トルク(kg-m/rpm) |
3.8/8,000 |
始動方式 |
キック式 |
点火方式 |
PGM-CDI |
潤滑方式 |
分離潤滑式(エンジン)圧送飛沫併用式(ミッション) |
潤滑油容量(L) |
2.1(内ミッション0.9) |
燃料タンク容量(L) |
16 |
クラッチ形式 |
湿式多板コイルスプリング |
変速機形式 |
常時噛合式6段リターン |
変速比 |
1速 |
2.846 |
2速 |
1.941 |
3速 |
1.500 |
4速 |
1.272 |
5速 |
1.136 |
6速 |
1.045 |
減速比(1次/2次) |
2.360/2.733 |
キャスター(度) |
24°00′ |
トレール(mm) |
90 |
タイヤサイズ |
前 |
110/70-17 53H |
後 |
140/60-R18 64H |
ブレーキ形式 |
前 |
油圧式ダブルディスク |
後 |
油圧式ディスク |
懸架方式 |
前 |
テレスコピック |
後 |
スイング・アーム |
フレーム形式 |
ダイヤモンド |
※HONDAホームページより
私の思い出
人気のあったNSR。当時私の友人が90年式NSRのSEを所有していました。
何度か借りてまたがしてもらいましたが、そのパワフルなエンジンフィーリングは強烈という印象が残っています。危うく前の車にぶつかりそうになり、ブレーキングしたらこれまたストッピングパワーも強烈でした。
しかし、そのパワーに恐怖を覚えつつも、ヘルメットの中でにたにた笑っていました。本当に楽しいバイクのひとつだったと思います。HONDAさんありがとう!